2、再挑戦へ
1,入隊志願(1回目)

 警察を辞めてフランスに行った。もちろん外人部隊に志願入隊するためだ。
日本では外人部隊の情報をできるだけ集めた。
テレビ、雑誌、本・・・、外人部隊の特集をしたテレビ番組を録画し、何度も見た。
本や雑誌もボロボロになるまで読んだ。
警察では機動隊に所属していたが、毎日の訓練が終わった後も、10キロほど走り、腕立て、腹筋、背筋、懸垂をした。
一日の初めと終わりで体重が2キロぐらい減る日もあった。
それほど外人部隊への思いは強く、絶対入隊してやると思っていた。

 パリに到着して2週間くらいのんびりとすごした。
しかし、その間もトレーニングだけはかかさずやった。
適当な公園を探してジョギングなどをした。外人部隊入隊マニュアルなる本(著者は自称外人部隊格闘技教官)に書いてあるとおりに行動した。(入隊後その本の内容の半分が真実でないことが判明)

フォルト ド ノジャン

 パリにある志願受付所に行き志願しにきたことを伝えると門が開き、入ってすぐ左にある部屋へ入れられ、持ち物検査を受ける。
担当の男は日本製の携帯電話がえらく気に入ったようでしきりになにか聞いてくる。
 ちょうど昼時だったのでそのまま食堂に連れて行かれ食事をとる。そこに日本人が一人いた。彼は以前自衛隊にいたらしい。
いろいろ彼に訊いたのだが、くわしいことはおぼえていない。「外人はあほばっかりだ」みたいなことを言っていた。

 その後すぐ簡単な面接と検査をうける。視力検査でひっかかりわずか2時間ほどで外人部隊を去ることになった。そのころの私の視力は、0,1程度だった。

 放心状態で近くにあった公園のベンチに寝転がる。
どのくらいそうしていたのかわからないが、今後のことを考え始める。
日本に帰っても仕事ないし、また警察に入ろうと思ても試験うかるわけないし、外人部隊入るゆうて警察やめてきた手前、ノコノコ帰国できひんし・・・とかいろいろ考える。

 絶対受かると思って来てるから落ちたときのことなんか考えてない。
ほんま困った。
とりあえず、何があかんかったのか考える。
考えるまでもなく原因は視力。
  それなら視力さえ良ければ受かるんやろが!
  ほな手術してもっぺん来たらええんや!
  日本に帰って手術しよう!

というわけで、帰国することにした。


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