3、オバーニュへ  5、最終合格へ
4,いろんな国の人


 外人部隊にはいろんな国のいろんな人間がやって来る。元スペイン外人部隊の奴もいた。

そいつはすごく変なというかおもしろい奴だった。
集合させられ名前を呼ばれるとめちゃ大きな声で返事をし、上官の前まで全力で走っていく。ほんまに『全力』や。50メートル走みたいに。
おもろいから上官たちはよく彼を呼んで遊んでいた。毎回全力で走っていく。でも、だんだんスピードが落ちていった。そらそうやろ。

見ているぼくらもゲラゲラ笑っていた。マジでおもろい奴やった。

上官が彼になんでそんな走ってくるんだと訊くと、
「忠誠心です!」と言っていた。

まじかこいつは。
しかし、その彼も結局いつのまにか消えていた。

 他には自称『傭兵』という奴もいた。
しかし、傭兵のくせに皆からよくいじめられていた。

僕が、どこで戦っていたんだと訊くと、
「いろいろ行ったで。チャドとかアフガンとかクゥエートとか。俺はプロや。」
と言っていた。
何年くらい戦っとったん?と訊くと、
「まー10年くらいかな。」
おまえ何歳?
「23や」
ふーん。13歳から戦っとったんか。
絶対うそや。こいつ目が泳いどるわ。そんでなんで10年も戦場行っとった奴がいじめられるねん。
聞いたことないわ。いじめられっこ傭兵。
まーいいけどね。

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