4、いろんな国の人へ  6、カステルノダリへ

5,最終合格        


 身体、体力、知能と全てのテストに受かる。次は面接だ。
担当は日本人のシェフ(軍曹長)だった。
外人部隊に15年程いるらしい。あの有名なT氏ともある時期一緒にパラシュート部隊にいたらしい。
とすると、T氏の本の内容と食い違ってくる。
シェフに格闘技教官になった日本人もいたんですねときくと、
『格闘技教官?なにそれ?そんなの聞いたことないよ。』
と言う答。
どないなっとるねん?!話ちゃうやんけ!
まあそんなんどうでもいいわ。

 3時間ほどその日本人シェフと世間話をする。
僕が元警察官だと知ると、
『外人部隊に潜入調査しにきたんじゃないの?』
『公安から来たんだろ?』
とか訊いてくる。
やたらやりにくいと言ってくる。警察官は初めてらしい。
『こっちが調べられてるみたいだよ。』
とか言っていた。
『つらいよー、やめたほうがいいよー』
とかおどしてくる。
体力的につらいのは慣れているから大丈夫だと僕がいうと、
『精神的につらいんだよねー』
と言う。
その時はわからなかったが、後にその意味がよーわかった。
なかなかつらいぜ外人部隊!機動隊が天国に思えた。

 外人部隊の大佐との面接がある。
僕は英語しか話せないし、彼は英語がはなせなかったので通訳を呼ぶ。
志願動機を訊かれる。
自分の人生を価値あるものにするためだ。と答えるが、理解してくれない。
何度言ってもダメだ。
『要するにお前は人生を変えたいんだな。』
と言うのでめんどくさかったのでそうですと答えた。

 最後にその大佐は
『お前は頭も体力もすばらしい。これからは日本人という考えを捨て、外人部隊の一人として生きるのだ!』
みたいなことを言う。

 結局全てのテストをパスし入隊することができた。

 新しい戦闘服が支給される。
気分はもう外人部隊兵だ。


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