3、オバーニュへ  5、最終合格へ
6,カステルノダリ (新兵訓練所)

 『ついに来た!地獄の訓練所』と例の本にあった。ある意味当たりだ。
確かに嫌なところだ。ここが好きと言う奴に会ったことがない。
自由なんかほとんどないし、教官連中は本当にいじめが好きな奴ばかりが集まってきたように思えた。
中にはいい人もいたけどね。

 着いて次の日には訓練に出かけた。
装備一式を受け取った後すぐに荷造りをさせられる。
どうやらどこかに出かけるらしい。
何のことか全然わからんまま荷造りをする。
結局ここに戻ってくるのは一ヶ月後のこととなるが。それも歩きで。

 バスで1〜2時間のところへ行く。
どこか全然わからない。わかるはずもない。
そこは、『ファーム』と呼ばれるところで、要するに農場だった。
あたりは見渡す限り農場で、隣の家まで何キロあるねんゆうかんじ。
地平線が見える。
夜なんかめちゃ星が見えてきれいだ。自然がいっぱいだ。

 折りたたみ式のベッドで一ヶ月寝ることになる。寝袋にくるまって。
そして、毎晩警備につく。小隊を三つに分けて三交代で。
つまり、三日に一回は警備につくことになる。
警備は二時間交代だ。ガードと呼んでいた。
一度ガードのときに寝てしまってえらい目にあった。
二人一組でやるのだが、武器庫の前で座ってたら寝てもうて気づいたら目の前に教官のカポラル(上等兵)が立っとる。
あちゃー、やってもうたと思ったがそんなんもう遅い。
さんざんしかられて脅された。
『お前は明日一日中フル装備で走り続けるんやー!死ぬまでじゃー!ガードの最中に寝やがって。仲間が襲われたらどないすんねん。戦場やったらお前ら死んどんど。』
確かにそのとうりだ。俺が100%悪い。
だから文句言えへん。
もう好きにせーやっちゅう気になる。
でも結局なんもなかった。あー助かった。

外人てえーかげんなんやなーとその時思い、真剣に考えていた自分がバカバカしく思えた。
実際外人たちはえーかげんで、他人に迷惑がかかることなんかへとも思ってない。
それでかなりぶつかったけどね。
日本人はまじめなんやとつくづく思った。
よー振り回されたわほんま。
あーむかつく。

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