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17,ケピ・マルシェ 5 


 休憩に入って真っ先にするのは?
そう、足の手入れ。
これをしとかんとえらい目にあう。いつ出発するかわからんからね。
それにしてもひどいね。
ほんまマメだらけや。
一度歩くのやめると今度歩き出すときめちゃつらいで。
ずっと歩いてたほうが楽。

 飯を食い、しばらく休憩した後ケピ授与式の練習をする。
実際にケピ帽(外人部隊のトレードマークの白い帽子)を使って練習する。
「レジョン パトリア ノストラ!」と声を合わせて叫び、一斉にかぶる。
『外人部隊は我祖国!』という意味だ。

 カステルに向けて最後の行軍が始まった。
これで最後の行軍だと思うとだいぶ嬉しい。
行軍が辛いのではなく、マメの痛さがつらいのだ。
ずうっと歩いていくと川にぶつかった。
この川は!カステルの横を流れていた川に違いない!
そう、この川に沿って行くとカステルの4連隊がある。
よっしゃよっしゃー!
そしたら急にシェフが走り出した。
おい、ちょっと待て、まじか!?
ほんまなんでこんな元気やねん、このおっさん。
おまえ何歳やねん、そんなんしとったら早死にするどー。
そんで俺は足痛いから走りたないねん、わかっとんかー、ぼけー!!サージャン サビニョールにバッジつけてもらう。
これ、もちろん頭の中の独り言。
しゃーないから走る。走らなあかんねんもんね。
上官の命令は絶対やもんね。
我々の任務は上官の命令に従うことである。
自衛隊と違ってまじで逆らえんかったね。
そんでよくどつかれたね、顔以外ね。
ナンドー(ペルー人)は腹どつかれていっつもまるまってた。
そんで文句言ってたな。
「ボケが、毎日どつきやがって、そのうち俺ら腹こわれるで・・・」

 やっと着いた、一ヶ月ぶりのカステル。
しかし、のんびりしている暇はない。ケピ授与式が待っている。
ビデオで見たのと同じだと思う広い芝生の広場へ行く。
そしてまた練習する。

 そしていよいよ本番。
『レジョン パトリア ノストラ!』と叫び、ケピ ブラン(ケピ帽)をかぶる。
そしてバッジをサージャンに着けてもらう。
そして集合写真を撮る。
終わった。これで我々は正式に外人部隊兵となった。
もう志願兵ではない。レジョネア オカノになったのだ。

 式の後簡単なパーティがある。
ただ部屋に集まってみんなでちょっとお菓子なんかをつまむだけのもんだった。
外人部隊はちょっと何かあるとパーティーをした。
誰か偉いさんが来たら絶対パーティーがあった。
俺にとっては昼間から酒が飲めてとてもうれしかっけどね。


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