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18,サービス 1

   
 カステルに帰って何が嬉しいかって、何やろ?
週に1回2時間だけ、土曜やったかな、売店行ってバーみたいなとこ行ってビール飲んで、バカ話して…あ、電話できたことかな。
12分間で2000円くらいやったかな。
手紙出せるようになったのも嬉しかったな。
とりあえず両親と当時つきあってた彼女に手紙出した。(帰国したとたんふられた。たぶん帰国するの待ってたんやで。ぼけー!)
出した手紙の三分の一は届かんかったし、こちらにも着かない手紙があった。ガード24に就くレジョネア オカノ
このへんでいいかげんなのが見えてきたねフランス。
それか外人部隊がチェックしてたんかな?
なんせ届かなかった。

 ええこともあれば、悪いこと嫌なこともある。
嫌なこと、それはサービス。
サービスとは駐屯地の中で一週間交代で回ってくる駐屯地での雑用みたいなもんかな。
ガード(門番)、GIT(緊急応戦チーム?)、食堂での雑用、売店での手伝い、駐屯地及び周辺施設の掃除などいろいろある。
どれが一番イヤかというと、やっぱりガードかな。
これが一番うっとうしい。
伝統ある制服を着て門番をするんだけど、制服の準備がこれまたたいへん。
前の日に全部準備してしまわなければならないのだが、一日仕事になる。
まず、シャツ。背中、両胸にそれぞれ35ミリやったか23ミリやったか忘れたがアイロンでビシッと線をいれなければならない。
ミリ単位やで、ミリ!もちろんミリメートルのことやで。定規で測って線いれるねん。
後でカポラルのとこへ見せに行くねんけどそのときあいつら測りよるから適当にできんかった。
シャツにアイロンあてるのに最初の頃なんか4時間くらいかかってたな。
ズボンももちろんアイロンかける。しわ一つないように。
それからブーツ。一足はガード用にふだんは使わずにおいておかなければならない。
ブーツもピカピカに磨く。
ケピ帽。真っ白な帽子だが、それだけに汚れも目立つ。これも洗濯してアイロンかける。
こんなかんじで準備する。
アイロンなんか一つしかないから取り合いする。じゃんけんで決めてたかな。俺としてはルンルンで決めたかってんけど、あいつらルール知らんかったしな。
そうやって一通り終わったらカポラルかサージャンに見せに行く。
廊下にズラッと並んで順番に見せに行く。
ちょっとでも汚れてたり、シワがあったらやり直し。バリうっとい!
でもそのおかげでアイロンめちゃうまくなった。

 当日、朝早く起きてその制服に着替えてFA−MAS取りに行き、士官(えらいさん)の点検を受け、国旗を掲揚する。
もちろんフランス国旗やで。
そのとき士官(だいたい大尉だった)から一人一人何か聞かれるが、何言ってるか全然わからんかった。
そやけど相手は大尉やからな、ええかげんなことも言われへんしな、たいへんや。

 ガード(門番)は2時間交代で立つ。そんで士官、下士官が通るたびに敬礼する。
FA−MAS持っての敬礼は普通のとは全然違う。文で説明するのはたいへんなので、知りたい人は三ノ宮駅まで来てください。
直伝します。
 サージャン、カポラル、レジョネア5人くらいでチーム作ってたかな。
もちろんサージャンなんか何もしない。ずっとコーヒー飲んでたな。カポラルは一緒に外に出てたな。
そんでほんまに暇や。小隊にいたカポラルで名はオブジェやったかな、こいつはええ奴なんか嫌なやつなんかわからんかった。
足のマメの手入れしてくれるかと思えばしょっちゅうどつくしな。
あ、100フラン借りパチしよったからな。
カステルの4ヶ月が終わる直前に先に休暇で南米ギアナ行ってもたからな。
最近見んなーと思ってロス(ルーマニア人)に聞いたら
「休暇でギアナ行ったでー」やって。
計画的犯行やな!返すゆうて借りたにもかかわらず返さんかった。
返すつもりがなかったに違いない、これは詐欺罪にあたるだろう。
 そんで、ガードのとき暇やから前を通る車の名前教えてくれる。
そんでそれ覚えれゆうねん。
覚えてどうするねんとか思ったけど暇やし教えてもらった。
あれがルノー209、あれはルノー109、329、あれはプジョー・・・こんなかんじ。
全部数字やねんな、フランスって。ジーンズかっちゅうに!
と、こんな感じでガードは続く。

 夜は戦闘服に着替えてガードにつく。次の朝交代のチームが来るまで。
ほんまうっとかったな、『ガード24』。
一生忘れんわ、シャツにアイロンで線入れていったこと。
白いケピ帽の汚れとるのにシェービングフォームみんな使ってたけど、あれ効果あるんか?
あれは石鹸じゃなくてひげを剃りやすくするためのものやろ。
経験者のみなさん、どうなんでしょうか?
他のサービスはまた今度。


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