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26,自動車教習所


 カステルでの教育が終わったらいよいよ配属かー!?
と思ったら実はもう2週間カステルにいなければならなかった。
自動車運転免許をとるためだ。
免許といっても軍の車しか運転できんみたいやけど。
とにかく授業が始まった。
でも、車の部品から交通ルールから全てフランス語。
タイヤ、ハンドル、ブレーキ、アクセル・・・全部フランス語にするともう全然わからん。タヒチ人 ラトゥー 踊りが得意
タイヤって?ハンドルって?フランス語でどないゆうねん?
そして、道路標識指して「これは何や?」
『STOP』とかいてある。
ストップ?
「ウイ、ストップ。」
ストップって、ストップ?
みたいなやりとりが続く。
結局ストップしかわからんかったな。

 交通ルールもだいぶ違う。
だいたいフランスは右側通行やしな。
最初のころよく左側走って教官に怒鳴られた、というよりびびっとったなあいつ。
一般道走るときなんか始めは意識してるからちゃんと右側走ってるけど、右左折したり、Uターンした後なんか思わず左側走ってまうねんな、これが。無意識やね。
「ボケー!どこ走っとるねん、右走れー!ここは日本ちゃうんじゃー!!」
てなかんじで、助手席の教官大騒ぎしてたな。
まー、前から車来てたこともあったからな。ちょっとこわかったな。
 もう一つ、ついやってしまうのがウインカー。
日本では基本的に右ハンドルだからハンドルの右側にウインカーのレバーがある。
だから、ウインカー出すとき右手でレバー倒すわな、当然。
でも、フランスでは左ハンドルで、レバーもハンドルの左にあるわけよ。
要するに右手でレバー倒す癖がついてしまってるから左ハンドルであろうと右側のレバーを倒してしまう。
すると、ワイパーがウイ〜ン、ウイ〜ン、ウイ〜ンてなかんじ。
教官、「べつに雨降ってないぞ〜」
とかゆうてあきれとったな。

 てなかんじでなんとか免許とれたんだけどね。
運転より交通ルール覚えるのが難しかったかな。
何べん聞いてもわからんルールもあったな。
月の偶数日には道の左側しか駐車できなくて、奇数日には右側みたいなルールとか。
意味がわからんかった。結局そういうきまりやったみたいね。

 ほとんどの奴が試験受かってたね。
でも、数名落ちてたな。
試験で高速にのってしまったペルー人『ナンドー』
進入禁止の道に入っていって正面衝突しかけたやつもいてた。

 というわけで全ての教育を無事終え、カステルを去る日が来たのだった。


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