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33,対テロ?警備 1

 
 またパリに行くことになった。
今度は送電施設の警備だ。
1999年末のことで、かなりテロを警戒していたようだな。
パリは21世紀を迎えるということで、かなり派手な演出を準備していた。
シャンゼリゼ通りにはでっかい観覧車みたいなのから、トランポリンから、なんやらいろんなものが持ち込まれて新年を迎える準備をしていたな。

 さて、我々はというと、前回の地下鉄警備の時と同様に荷造りをし、FA−MASを持ち、バスでパリまで行く。
もちろん軍のバスだ。
しかし、所詮は軍のバス、荷物を積み込むようなスペースはあまりない。
空いているスペースにバッグを詰め込み、乗り込むが、席を確保するのが大変だ!
車内の通路にはバッグが山積みになっている。ラボニーと送電施設警備
席に着くとすぐ寝に入る。
めちゃくちゃ暇やからな。

 目が覚めると、どこかのパーキング。
FA−MASを担いで外に出る。
そこらへんじゅうに銃を持った外人部隊兵がウヨウヨしてる。
でも、フランスではごく普通の風景らしく、だれも特に反応しない。

 ということで、パリに着く。
その途中、森の木が何本も根こそぎ倒れているのを見る。
根っこから抜けてるからな。
なんか、雑草を抜いた後みたいに大木が抜けてる。
すごい台風がやってきて、めちゃくちゃにしていったらしい。
フランス中で結構な被害が出たらしい。
ちゃっかり、我々も後で手伝いに駆り出されたがな。

 で、送電施設の警備。
2000年を迎えるにあたって世界中でテロが警戒されていたが、フランスでもかなり警戒してたからだろうか。
ということで、小銃持って警備することになる。
もちろん実弾も携帯している。
自衛隊とは違うぜ!
1日目が警備対象の施設で24時間の警備。
2日目が雑用等。
3日目が休みとなる予定だったのだが、休みは2回くらいしかなかったな。
このパターンで2週間過ごした。
そんで、2日目の雑用で、台風被害の後片付けに行かされた。
フランス軍の施設も、その台風の被害に遭ってて、木が倒れて、建物を直撃破壊していた。
けっこうメチャクチャになってたな。
倒れた木をチェーンソーでばらばらにし、それを運ぶのが我々の仕事だった。
フランス軍の施設であって、外人部隊のじゃないから、フランス軍の兵士がいるわな、当然。
それがやな、なんかおかしい。
我々が近づくとさっと道を開けてくれる。
なんや、礼儀正しい教育を受けてるんやなーとか思ってたら、我々が近づいたら会話を止めることにも気づく。
そんで、目をすぐにそらす、絶対目を合わさない。
ちらちら盗み見してくる。
どうやらびびってるらしい。
まあな、あんま行儀ええ人間いてないしな。
問題よく起こしてるしな。
フランスでは、問題起こした人間は、刑務所行くか外人部隊行くかを選ばされるらしいしな。(これはフランス人が言っていた)

 と、まあこんな感じで年を越すことになった。
ちょうど12月31日に当番がまわって来て、警備しながら21世紀を迎えたな。
ということで、次回に続く。


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