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34,対テロ?警備 2


 前回の地下鉄警備の時と違って、今回は送電施設の敷地内をグルグル歩き回るだけの勤務。
だからすごい退屈。
2時間勤務なんだが、とにかく退屈。
二人一組で警備につくのだが、仲の良くない奴と組むと最悪やな。
フランス人のラボニー一等兵と組んだ時が一番良かったかな。
英語の練習を二人でやったりしてたな、どちらもたいしたことないからあんまり通じなかったが。

 いつものことだが、今回の警備の初めにも任務の説明があった。
要は、二人でしっかり送電施設を守りなさい、異常があれば無線で連絡しなさい、施設内の機械には触らないようになどなど。
ま、例のごとく俺には半分くらいしか理解できんかったな、そのフランス語での説明。
そしたら親切な軍曹、俺だけに特別に説明してくれる。
「オカノ、これ触ったらダメ。ビリビリビリー、死ぬ!」
てなかんじ。
軍曹、ありがとう。
でも、それくらいわかってるよ、送電施設やからね。
どくろのマークも貼ってあるし。
しかし、すぐ触れるようなところに感電死するようなもの置かんやろうが。
そう思ったので、後で誰かに触っても死なんやろがーとか聞いてみるが、「死ぬって、死ぬって、やめとけ!」とか言ってる。
まあええか。

 2時間の過酷?な見回りが終わり、次の組と交代する。警備中にさぼってるところ
その後は、ほんまに時間つぶしという感じだったな。
ほんまに何もすることがないからな。
テレビ見てるか、何か食ってるかのどちらかだったな。
ほんまに暇だった。
送電施設の会議室みたいなところにずらーっと簡易ベッド並べて、その上に寝袋広げてるんだけどね。

 前回も書いたが、12月31日の大晦日の日の警備は我々のグループがやることになった。
だいぶ悔しいな。
せっかくパリに来ているのに、それも20世紀最後の日に。
パリの町はおおはしゃぎやったしな。
ということで、31日は施設の警備となったのだ。
テレビで見ていると、もうそれは大騒ぎしている。
シャンゼリーゼ通りには、いろんな催し物というか、遊園地みたいになってて、めちゃ楽しそう。
トランポリンで飛び跳ねてるピエロみたいなのや、ハシゴ使ってパフォーマンスしているのやら、そんなのがいっぱいいる。
と、ケピブラン(外人部隊の特徴ある白い帽子。当サイトのトップ画像参照)を被った外人部隊兵がうれしそうにカメラに写った。
それを見た我々、どこの部隊じゃー、むかつく!俺らはガードやのに!とか口々に言っている。
いやー、そういう私も悪態を吐いてましたね、はい。
だって、羨ましかったし・・・

 そして、夜になる。
送電施設からはエッフェル塔が見えていた。
時刻は23:59、テレビではカウントダウンが始まっていた。
そして、00:00、テレビのエッフェル塔と目視のエッフェル塔から花火が吹き出す。
空全体がなんとなく明るくなったような気がする。
いやー、キレかったなー。
しかし、我々の警備は続くのだった。


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