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36,営倉入り 2
 そうそう、営倉に放り込まれる前に部隊行事としてスキーに行ったのだった。
すぐにでも放り込まれると思っていた私にとっては、意外な展開となった。
ひょっとして営倉入りはなくなるのでは?忘れてるのでは?等と甘い考えも若干していたね。
スキーといっても、個人的に行ったのではなく、部隊で行ったので、その道中もずっと戦闘服やけどね。
ちなみに、スキーウェアなんてものは、もちろんない。
外人部隊のスキーウェアは、戦闘服じゃー!てなもん。
だから、こけたりしてたらビショビショになるよ。防水違うからね。

 フランス軍、国内のいろんなところに保養地みたいなのがあって、その中に今回行った山荘みたいなのもある。
さすがにスキー場は持っていないらしく、そこは民間人も一緒である。
しかし、ここの国民は軍隊に慣れてるな。日本ならジロジロ見られて、やれ遊んでるやら、税金ドロボウやら言われてるところだが。
 で、いつものバスにすし詰め状態で現地に行く。
我々が寝泊まりする建物は、さすがにボロかったが、ただなので文句は言えない。
ただ、ここでも掃除やら雑用がいろいろ、我々兵卒を待っていた。
ここで一悶着。
同じ小隊に新しく配属されたフランス人新兵、(こいつもダボだったが、速攻で脱走してしまったので名前すら覚えてない)私と一緒にトイレ掃除をすることになったのだが、いっこうに働かない。
向こうでは、日本のように先輩後輩などという慣習はないので、早く部隊に入っていようが、後から入ってこようが関係ない。
生意気と言えば生意気なんだが、それはやはり日本人としての感じ方なのだろうか。
で、このダボなんだが、掃除を始めてからずっと窓の外を眺めて掃除をしない。
その間、私は真面目に掃除をする。
何回声をかけても掃除をしようとしない。
ま、このころには外人のええかげんさがだいぶ分かっていたので、いちいち怒ってなんかいなかったのだが、だからといって、全部自分一人で掃除するようなお人好しでもない。
トイレの半分ほど掃除したところで、俺はトイレの半分掃除したからお前後半分やっといてくれなと言って帰ろうとすると、「待て、お前、掃除もせずに帰るのか」とか言う。
このボケ、何ぬかしとるねん!ということで、私も通じてようがなかろうが関係ないと言う感じで、つたないフランス語で言いたいことを言わせてもらう。
俺はお前がさぼっている間中ずっと掃除しとったんじゃ!と言うと、ダボは「俺も掃除してたわい!」とか言う。
お前の掃除ゆうのは窓の外見てぼけーっとすることを言うんかい?とかいろいろ言ってやったらやっと掃除始めた。

この一件で悟ったこと。このダボは強く言った方がいい類なのだということかな。散髪大会  大会ってほどではないか・・・
こいつもできが悪かったが、この後入ってくるもう一人のフランス人もかなりのダボやったな。

 話は変わるが、ここで散髪大会したんだったな、そういえば。
外人部隊、髪型もしっかり決められている。
日本の自衛隊みたいに髪の毛自由ではないんだね。
写真見てもらえればわかると思うのだが、スーパーショートカットなんやね。
頭の側面は、ゼロミリにして、上だけちょこっと髪の毛を残すような刈り方なんやね。
で、それを散髪屋でやるのかと言えば、自分たちでやるんだね。
各小隊にはバリカンがあり、それを使ってやることになる。
ま、個人でバリカン買っている奴も多くいてたけどね。
私も自分のを買ってきてたね。

 で、スキーの話だが、久しぶりにできておもしろかったてな感じかな。


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