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47,マイイー演習 5 
 無事?敵戦車も撃破し、ご機嫌さんでさらに偵察任務は続く。
いろんなところを走り回ったような記憶がある。
で、小休止。同じ班の奴らと合流して昼食となる。
といっても、食い物は例のコンバットレーション。
メインディッシュにサブ、ビスケット、ビタミンバー、コーヒーセットなどが箱に詰まっている。
たいしておいしくはないが、そう不味くはない。
自衛隊の携帯糧食(コンバットレーション)よりは、ずっとおいしかった。
が、何十回と食べていると、さすがに飽きる。

 で、状況開始。名前は忘れたが、カポラル・シェフ(上級伍長?)が呼んでいる。
私と仲良しのフランス人ラボニーも呼ばれてやって来た。
どうやら、私とラボニーに、LRAC(携帯対戦車ロケットランチャー)を持って、VBLに乗り込めと言っているようだ。
LRACと発煙筒のようなものを2〜3本渡される。
この発煙筒がロケット代わりで、筒の下に出ている紐を引いて、敵に投げつけろと言っている。
要するに、ランチャー構えて、引き金引いても弾はもちろん出ないので、この発煙筒を投げたことでロケットを発射したこととするということのようだ。
こんな演習、そういえば自衛隊でもやっていたなあと思い出す。
簡単に状況説明が終わると、さっさと乗り込めと言われ、ラボニーと二人、VBLの後部に乗り込む。
本来、ノーマルのVBLは運転席、助手席、それに後部に一人用の座席がある3人乗りなのだが、後部に俺ら二人は乗り込まされる。
ノーマルということは、ノーマルじゃないものもあるということだが、そのとおり、ある。
それは、指揮車両か何かで、後部が広くなっている。
実際には乗ったことがないので、よくは知らない。
他にも何種類もあり、確かミサイルが搭載されているものもあったように思うが、知らない。
話を戻そう。
カポラル・シェフ殿、何やら急いでいる。どうやら敵がこちらに向かっているらしい。
おお、さすが偵察部隊、情報が早いぜ!などと思ったかどうかは覚えていない。戦死後、LRACを構えるラボニー一等兵
そんなことはどうでもいい。
待ち伏せ要員を乗せて、VBLは疾走する。
太めの山道を走り、途中で脇道に入り停車、下車。
先ほど我々が進んできた道の前方から敵車両が接近中とのこと。
確かに、何やら騒がしい音が聞こえてくる。ということは、だいぶ近いぞ!
あわててラボニーと二人、LRACを構える。
ラボニーが構えて、俺が発煙筒を投げる役をする。
ヴオーーーーーー
敵戦車の音だ。が、いつもの10RCの音ではないぞ?
何だ?
木の陰から敵戦車の砲身が見え、続いて全身が見えてくる。
AMX30、主力戦車だー!!
聞いてないよ〜と古いギャグを飛ばしながら、発煙筒を投げつける。
しかし、煙は出ない。
ラボニー、もう一発や!!
別にラボニーに言わなくても、俺が投げたらそれでいいのだが、何か興奮している。
思いっきり投げつける。
しかし、やはり煙は出ない。
と、シュンーと音を立てて、何かが我々の横を飛んでいったような気がした。
が、深く考えない。
煙は出ないけど、この距離なら間違いなく敵戦車には命中しているし、ええやろと思った瞬間、2台目の戦車が出現!
まさに、聞いてないよ〜である。
2台目の敵戦車は、すでにこちらに気づいており、砲塔を旋回させ、我々のVBLに狙いを定める。
砲塔の上に搭載されている7.62ミリ?機関銃も火を噴く。
バンバンバンバンバンバンーーーーー!
俺ら、戦死やな。
待ち伏せ班、全滅ー!!
どこから現れたのか、審判みたいな人が現れて、「はい、君ら全滅ね〜」と言い、立ち去る。
それを聞いて、我らが指揮官カポラル・シェフ、「俺ら全滅や、ゆっくりしようや。」などと言っている。
しかし、先に攻撃したのは、間違いなく俺らやから、1台目の戦車は撃破したはずやのになーとぼやいたりする。
で、暇になったので、ラボニーと二人で、記念撮影でもするかということになり、写真を撮る。
その写真が右上の写真ね。
そこへカポラル・シェフがやって来て、「お前ら、打ち上げ花火、敵に投げつけてどないするねん、危ないぞ」と言う。
発煙筒と思いこんでいたのは、どうやら花火の類だったらしい。
ということは、投げつけた後、俺らの横をシュンーと音を立てて飛んでいったのは、花火の玉だったのか?
ラボニーと二人、ちょっとびびるオカノ二等兵であった。
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