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48,マイイー演習 6 
 夜間も演習は続く。

 よくは覚えていないのだが、VBL数台で偵察か何かのために移動していたのだと思う。
当然、ライトなどは点灯させず、運転手は暗視装置を装着しての運転である。
演習場、町中とは違って、街灯など一切ないので星や月が出ていないと真っ暗である。
本当に何も見えない。
が、逆に、これだけ真っ暗だと、月明かりで十分本が読めてしまうほどなのである。
二宮金次郎が、月明かりで本を読んでいたなどという話にも納得ができる。
で、私オカノ2等兵はというと、例のごとく自分がどこに、何のために移動しているのか理解していない。
ただ、乗車しろと言われたので乗車しただけなのである、あったと思う。
夜間の運転、昼間とは違いさすがにスピードを出さない。
運転席の窓から外を見るが、当然何も見えない。
と、突然VBLが停車し、FA−MASを持って下車しろとのこと。
目的地に到着か?等と思いながら外に出ると、何やら変な奴ら6〜7人が地面に座り込んでいる。
その周りを、他のVBLの乗員等が取り囲んでいる。
その変な奴らは、皆私服を着ていて戦闘服ではない。
民間人のようだ。
が、なぜ民間人が演習場にいるのだ?瞬時に、いろんな疑問点が頭に浮かぶ。
さらに観察すると、奴ら、何やらわめいている。
「マンジェー、マンジェー」
「アイムハングリー!ハングリー」
「ギブミーサム・・・」
フランス語と英語とがごちゃ混ぜになっているようだが、とにかく何か食い物をよこせと言っている様子だ。
何人かは、腕に包帯をまいていたりする。
どうなっているんだ?
ひょっとして、難民か?
いやいや、ここはフランス国内の軍の演習場だったはず。
すると、いつのまにか演習場を出てしまっていたのか?
しかし、何故こんなところで彼らは座り込んでいるんだ?
もう、オカノ2等兵、全く状況を把握できていない。
誰かがコンバットレーションを彼らに与えている。
それを彼らは奪い取る。
が、腹が減っているはずなのに、奪い取ったそのレーションを誰も食べようとしない。
おかしい、何かがおかしい・・・
と、そのうちの一人が、フラフラとこちらに近寄ってくる。
カポラスシェフから、「そいつらがVBLに入り込まないようにガードしておけ」と指示が出る。
まじか!超重要な任務ではないか、それは。
FA-MASを構え直し、気合いを入れる。
このVBLに乗りたければ、俺を倒してからにするんだな!
こう見えても、警察時代には、ただメガネをかけているというだけで、一人では何もできない様なクソガキに「滝廉太郎」とか言われてブチギレてたんだぜ〜
と心の中で叫ぶ。
クソガキども、こちらが手を出さないことが分かっているので、わざと体をぶつけてきたり、「クソポリー!」などと暴言を吐いたりしてたが、ええ加減こちらも頭に来て、「もっぺんゆーてみい、こら!」とかかましたったら、逃げて行ったぜ!
お前もかまされたいんか?おおっ!?
等と心の中でその難民?をかましたりする。
ま、ガキをかました件では、後ほど上司に「いらんこと言うな」と怒られたんやけどね。
まあ、それはいい。
で、その一人、ふら〜っと近くにやって来ただけで乗り込むような素振りすら見せない。
全く意味が分からん。
何なんだ、こいつらは?

そのうち、再び移動することになりVBLに乗り込む。
その際も、奴らが乗り込んでこないように注意しながら愛車に乗り込む。10RCとオカノ 泥だらけの戦車を掃除するのも下っ端
そしてその場を立ち去る。
何だったんだろうか・・・
結局、それも演習の一つであったことが判明。
そらそうでしょう。演習場にそんな難民のような奴らがいるはずがないからねえ。
にしても、なかなか手の込んだ演習をするねえ、外人部隊。
マジで頭ん中、混乱したよ。
まあ、志願入隊した瞬間から、混乱は始まっていたんだろうけどね。

で、移動していると、またもや停止する。
外を見ると、何やらVBLらしきものが横倒しになっている。
何だ?敵襲か?
まじで横倒しだ、タイヤが二つ、宙に浮いていたからねえ。
続きは、また今度。
でも、その続き、いつになるんだろうねえ。
前回の更新が8月だからねえ。
次回、VBLを襲った正体が明らかになる!
ええ〜、まじで!そんなことが・・・
フフフ
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