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15,ケピ・マルシェ 3

  
 バナッシュを乗せてトラックは去っていった。
再び行軍が始まる。
他のグループより2時間程度遅れをとっただろう。
星がめちゃきれいだ。あたりは真っ暗だ。
どこを歩いているかなんてさっぱりわからない。
すーっと歩き続ける。3〜4時間歩いたのだろうか、川にぶち当たる。
川に沿って歩く。
サージャンがあと30分位だと言う。
まじで!あと30分で今日は終わりか!!
30分後も歩いていた。
サージャンはもう30分だと言う。
30分経っても着かなかった。
また30分と言う。
着かなかった。
どないなっとんねん!あと30分ゆうてから2時間になるぞ!!おい、サージャン ダ・シルバ!!!
彼の名はダ・シルバ、ブラジル人だったと思う。陽気の奴だった。
一番まともな軍曹だった。我々のグループ長だった。カステルでの訓練終わった時、皆で金出してでっかいCDラジカセ買ってあげた。
日本で買ったら安いやつもフランスではなんか高い。

 なかな目的地に着かないので歌を歌って気分をごまかそうとする。
隣にルーマニア人ロッカといたロッカと歌を歌う。
「コネーセーブ セーゾォム・・・」
サージャンが「あの光が今日野営する所だ。」と言う。
そこじゃなかった。
すると、サージャン「あの光や!」と言う。
また違った。けどすぐ側だったのでよしとしよう。

 やっと着いた。
他のグループはすでに野営の準備をすまして飯を食っていた。
飯といっても例のやつだが。
我々もすぐテントを作る。例のブルーシートのやつだ。
雨に濡れずに寝れたら良かった。
マメの手入れをする。ひどいもんだ、マメだらけだ。ほんま歩くのが嫌になる。

 今晩のガードの時間割りを決める。
早いか遅いかどちらかの方がよく寝れる。中途半端な時間にあたるとあまり寝れない。
夏だというのに夜になるとめちゃ冷える。
コートがないと死ぬだろう。(ちょっと言いすぎ)
ガードについた時、クソがしたくなったので相棒にちょっとトイレ行ってくると言う。
「どこにあるねんそんなもん?」と訊くのでもちろん自分で作るんやと言う。
穴を適当に掘ってクソをする。
そのあと土をかぶせて草をかけてカモフラージュ、はいできあがり。
野営の場所の周辺は地雷(クソ)だらけなのでよく注意しないといけない。
ガードの2時間が終わり、再び寝に入る。

 朝になり撤収してまた行軍に出発する。
途中小さな町に寄る。
果物やらチョコやら買うことができた。
でもあんまお金持ってなかったのでアイスクリームは買えなかった。
俺の大好きな「マグナム」。これはフランスでは有名なアイスクリーム。
日本円で200円もする。値段ほどうまくない。ハーゲンダッツの方がだいぶうまい。
町の人も兵士に慣れきっている。
別に普通に接している。
日本じゃ大騒ぎやろなー。

 再び出発。
マメが痛い、痛すぎる。ほんまに嫌になってくる。めちゃくちゃ痛い。
ボケーッ!
ひまわり畑があたりに広がっている。めちゃきれいだ。
ずーっと続く。
こうなると自分達が進んでいるのかどうかわからなくなってくる。
もうええっちゅうに、ヒマワリ!見飽きたんじゃー!!
俺はお前らに訊きたい。俺らは前に進んどるんか?
それとゴールはどこやー!!!
心の中でわめく。

 チェリーの木をだれかが見つけた。
よっしゃー、チェリーやー!
おもっくそ走る。マメが痛いけど。
食えるときに食うとかないつ食えるかわからんからね。
これ、外人部隊の常識!


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