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5,除隊


 というわけで、なんやかんやしているうちに1ヶ月はあっというまに過ぎていった。
WAC(女性自衛官)が入隊してきたときなどは、みんなかなり元気になってたな。
駐屯地内は声かけ合戦が始まったりしてたかな、一部だけかもしれんが。
けっこうWACの三曹あたり(要するに助教)は、きついのがいてたので、監視の方もされてたのかもしれんが。

 今考えると、ほんまに変なやつが多かったなー。
なんやら、どこかのヤンキーの女にシンナー吸わせて追い込みかけられた奴とか、パチプロだとか、現役暴走族とか、ホモやろうだとか、いろいろだ。
このホモ君、けっこう気持ち悪かったな。
ある時、健康診断かなにかで、上半身裸で待機していたんだが、奴はそのとき私のちょうど後ろにいてたんだが、耳元で「オカノ君、イイカラダ!」とか囁かれた時にはさすがにゾッとしたな。

 夜中に自分のベッドでシコッてる奴もいたな。自慰のことや、オナニー。
それが、静かにすればいいものを、ベッドガタガタいわせて、声も出しながらだったらしい。
私とは違う部屋だったので、直接は見てないし、聞いてもないのだが、その部屋の奴らはみんな知ってたな。ウーウーうなってたらしいで。
そいつは、ちょっと頭が弱いらしく、自分の名前も漢字で書けなかったからな。教育隊で
でも、これらはずべて、今から10年以上も昔の話。
今ではこんなことはまずない。
隊員のレベルも遙かに上がっているし、実際試験の方も、軽く10倍くらいはあるらしいからな。

 で、当時は私も大学生だったので、そろそろシャバに戻って大学生を再開しなければならない時期にきていた。
しかし、正直に大学に戻るので辞めますとは言えなかったのだ。
学生であることは堅く口止めされていたので。
一身上の都合ということで、辞めようとしたのだが、これが全然通じない。
そんな訳のわからない理由で辞めさせられない!とか言われる始末。
部屋に閉じこめられて朝から尋問みたいな感じ、ちょっと大げさだが。
まあ、自分で言うのもなんだが、体力検定1位だったし、その他も優秀だったので、かなり辞めさせたくなかったようだ。
親にも説得をしてたようだ。
というか、周りの人間が普通じゃなかったからだろうが。
今じゃ、一般二士に大学卒なんてごく当たり前の時代になってるからね。
で、結局、大隊長の方に親から連絡して、辞めさせてくれということで話がついたようだ。
今考えたら、親にも迷惑かけたな。

 というわけで、大学生自衛官も終了ということになった。
どうもお疲れ様でした。
ここで同じ部屋にいてた同期の何人かとは、大学卒業後に入隊し、配属された部隊で再会することとなる。
復活、大学生!


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