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9,ファームでの訓練 1


 朝6時半起床。
ひげを剃り、顔を洗い歯を磨く。用便もすませる。
それから戦闘服に着替えて朝食だ。
手にはカップ(軍用水筒についている金属製のカップで湯を沸かしたり食事を入れたりいろいろ使える。)とナイフ フォーク(これもキャンプ用品みたいなやつ)を持って食堂前に整列する。教官どもはやたらカウントするのが好きだ。
点呼のたんびに何秒で集合できるかカウントする。それで絶対腕立てやらせる。
そして食事の前にはいつもアペリティフ(食前酒)とか言って腕立て、懸垂、綱登り、近くの丘まで全力疾走とかやらせる。
せっかく手洗っとってもどうせ汚れるから意味あらへん。
まー全然気にしなくなったけどね。
なんせ食えたらよかった。

 朝食はパン、ジャム、バター、コーヒー 以上!
パンの代わりにビスケット2枚なんかのときもあった。
腹減るんきまっとるやんけ。だからいつも腹ペコだった。

 朝食終わると掃除。これがだるい。
そして、訓練・授業に入っていく。
だいたいいつも体使う訓練は午前中にやった。
駆け足か障害物走。だいたい1時間から2時間位。
それが終わるとシャワーを浴びて座学へ。
これが眠い。何ゆーとるかわからんしな。
フランス語、軍歌、外人部隊の歴史など。
覚えが悪かったり、よくわかってなかったりしたら、よく近くの丘まで走らされた。
そんで丘の上から大声で叫ぶ。
英語のbe動詞の変化みたいなのがフランス語にもあってそれがまたむちゃくちゃややこしい。
それをよく復唱させられた。
『I am, You are, He is, She is, They are』みたいなかんじ。
下で教官やら小隊長が聞いとる。きこえるまでやらされる。

 歌はよく歌った。これだけは毎日した。今でも余裕で歌えるわ。
そのころ覚えた歌は今でも聴くとむっちゃあのころ思い出して気悪い。
行進しながら歌うのだけど、外人音痴が多いからなかなかうまいこといかへん。
そんで、教官いっつもキレテ腕立てさせる。もーええっちゅうに!

 昼食たべて掃除して午後の授業。
その日によってプログラムは違う。
戦闘の訓練したり、歩哨の訓練だったり、偽装のだったりいろいろだ。
朝から一日通しでやる日もあった。
なんにしろ何ゆーとるかよくわからんかった。

 そんで夜。7時頃に夕食。どの食事も量は少ない。
スパゲッティー、ソーセージ、ピラフ等。
一応前菜、メイン、デザートとある。
たぶんここでだいぶいいイメージがわいた人がいると思うけど、そんなええもんちゃいまっせ。
エサやエサ!味わうもんちゃうねん!腹に入れるもんやねん!

食事の後まだ授業がある。歌の練習が多かった。ほんまによく歌わす。
そんで下手やとまた腕立て。これパターン。
一日300回位はこんな感じでやった。
腕立ては外人部隊では訓練ではなく、懲罰みたいなもんかな。

 そんで10時半くらいに寝る。
もちろん三つに分けたうちの一つのグループがガードにつく。
そんで外人またアホやから、自分のグループがいつガードについたのか覚えてない。
二日連チャンでつくときもあった。教官が決めるねんけど、あいつら別にガードにつくわけやないからな。
各グループに一人教官がいるけど、彼らはテレビ見とるだけやからな。
まー最初のうちは寝とる時だけが幸せやったかなー。最初の頃はね。
寝れたらよかったね。


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