20、カステルでの生活へ 22、忍者志願者へ
21,連続窃盗事件

   
 訓練で山地に合宿に行った時のこと、連続してお金が盗まれることがあった。
その時犯人は見つからなかった。
その施設には鍵つきのロッカーがなかったのだ。
もちろん俺は盗られてないでー、オバーニュにいたときに盗られてから金は持ち歩くか、鍵のかかるところにしか置かんようしてるからな。今でもそうや。

 訓練も終わってカステルに帰ってきた。
給料、外人部隊でも貰えるんやね。月に10万円弱やけど。
郵便局に振り込まれる。
どうやって下ろすかというと実は日本と同じで、普通はキャッシュカードで引き下ろす。
そのキャッシュカードはというと、郵便局から送られてきたものを使う。
ここまでは日本と同じだ。
しかし、暗証番号のことになるとちょっと違ってくる。
郵便局に勝手に番号は決められてしまってて、その番号は別に郵便で送られてくるのだ。

 さて、同じ部隊にいたバナッシュ君。そう、行軍途中におかしくなってしまった奴だ。
暗証番号の書かれた紙を数分にらめつけた後、その場で燃やしてしまった。
「これで誰も俺の番号わからんやろ、安心や!」
誇らしげに言っている。
そして、給料を下ろしに行く。
駐屯地の中にもキャッシュコーナーがあるのだ。
給料日には長蛇の列ができる。
バナッシュの番がきた。
カードを入れ、暗証番号を押す。
と思ったら、奴は番号を押さずにかたまっている。
「何しとんねん、はよせんかー!」
誰かが叫ぶ。
「番号忘れた・・・、俺の番号何番やったっけ?」とバナッシュ。
アホか、お前が紙燃やしたんやろがー、俺しか知らんゆうてイバッとったやろがー!
困ったバナッシュ君、金が引き出せない。
そこで郵便局に番号をもう一度教えてくれるよう頼んだ。
数日後、無事郵便局から封筒が届き、暗証番号がわかった。右がバナッシュ、真ん中がペルノー
「OK!、これで金が下ろせるー!!」
バナッシュ君、ウキウキで金を下ろしに行く。
しかし、大騒ぎしながら帰ってきた。
「何でやー、俺の金がなくなっとるー!」
彼の口座からほとんどの金が消えていた。

 捜査本部が設置され、捜査が始まった。
事情聴取の結果、数回カナダ人『ペルノー』にカードを渡していたことが判明。
そして、引き出された日時もそれと一致した。
犯人はペルノーだった。
ガサいれの結果、彼のロッカーから札束と30冊に及ぶエロ本が発見された。
山地での合宿時の盗難もペルノーの犯行とわかった。
ボコボコにどつかれ、牢屋に入れられるペルノーだった。

 しかし、どうやって?
マル害(被害者)バナッシュ君によると、
「いろいろわからんことがあって、ペルノーに相談してたんや。そんで、カードのこともよくわからんかったし、暗証番号忘れたりして困ってたときにペルノーが『俺が助けたる、俺に任せとけ!』ゆうてくれたんや。そんでペルノーが『何とかしたるからちょっとカード貸してみろ』と言うんで何回か渡したんや」
とのこと。
 しかし、暗証番号は?
「いやー、最初番号が送られてきた時に何のこっちゃわからんかったからペルノーに見せてもーたんや。」
とのこと。

 以上が連続盗難事件に関する全てである。


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