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24,レッドマルシェ 1


 以前、ケピマルシェについて書いたが、あれがカステルへの入校式としたらこれは卒業式みたいなもんかな。
ケピマルシェは60キロを一泊二日で行軍するのだが、レッドマルシェは100キロを二泊三日でやる。
結論から言えば、ケピマルシェの方がきつかった。

 3チームに分かれてカステルを出発し、湖をゾディアック(だったと思う)と呼ばれるゴムボートで渡る。
ここで俺とイタリア人の二人が待ち伏せ要因となり、対岸に車で行き待ち伏せ場所を探す。
丘と丘の間に道がある場所を見つけ、丘に登って隠れる。ちょうど道が見渡せ上から狙うにはなかなかいいところだった。下の道を歩く側にしたら隠れるところがほとんどなく、不利なところやね。
サージャンから
『3チームとも下の道を通る。2チーム目が通りかけたら攻撃しろ』
と言われる。
俺とイタリア人はそれぞれ隠れ場所に隠れる。イタリア人は10メートルほど俺から離れたところに隠れた。
準備よし。

 1チーム目が現れ、何事もなく通っていく。
そしてその後に2チーム目が続いている。
パパパン、パンパンパンパン
攻撃を開始する。メチャ気持ちええ!お前ら全員死亡じゃー!!
もちろん空砲やから弾はとんでいかない。
自衛隊みたいに回収する必要もないから撃ちガラ薬きょうをばら撒きながら撃ちまくる。
下の奴らいっせいに伏せる。そして必死に隠れようとしてる。
そやけどよー見えてまっせー!
隠れるところなんか何もないところやからな。
反撃して撃ってきよるけど、全然違う方向に撃ってるやつもいてる。
しばらく撃っていたが弾が少なくなってきたのでやめる。

 ふと、3チーム目がいないことに気づく。
まー、のこのこ歩いてくるわけもないしなーとか考えていたら我々がいる丘の横の方に人影を発見。
第3チームや!
どーなってるねん?とか思うが何か用事なのかと思ってしまう。
あっ、もう終わりということかと思ってしまう。
近くにいるはずのイタリア人も攻撃せんしな。これはどっかの部隊の演習
どんどん近づいてくる。
先頭のサージャンが俺に気づき何か言っている。
何ですかー?と出て行くと
「もう一人はどこや?」
と訊いてくるので、その辺にいてるはずですと答えると呼べという。
イタリア人も出てくる。
そしたら二人とも捕虜にされてしまった。
どういうことやねん!?
二人して小銃取り上げられ、両手を頭にして歩かされる。
丘を降りていくと皆が笑っている。ええ見せもんや。
おまけに変な歌まで歌わされる。
『パーパーマーマー@+*><・・・』
なんかようわからんかった。
そんでサージャンに「何ペラペラ仲間の居場所教えてんねん」
とか怒られる。
そんなんゆうてもサージャンに言えいわれたら言わなしゃーないやろが!とか思う。
そんでイタリア人に何で攻撃せんかってんと訊くと
「蜂に襲われててそれどころやなかったんや。」
と言って赤く腫れたところを見せてくる。
こんな感じでレッドマルシェは始まったのだった。


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