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44,マイイー演習 2 
 演習場近くの駅に到着し、戦車・装甲車を列車から降ろす作業に移る。
といっても、俺ら運転手以外がする作業と言えば、戦車・装甲車を列車に固定している金具を外すだけだから簡単。
車両の前方、運転手から見える位置に立った誘導要員が、手で右やら左やら指示を出して、車両を降ろさせる。
それを俺らは横で見ている。戦車を降ろす作業をするマーク伍長(左の後ろ姿)
写真なんかを撮ったりする。

 しかし、その作業までの間、結構な時間があったので、あたりをうろうろする。
と、前方に巨大な戦車を発見!
近づくと、どうも自走砲のようだ。
名前は知らない。
自走砲とは、戦車のようにキャタピラベースの車両に砲塔がついているのだが、目的は戦車などの車両を直接狙って撃破するための物ではなく、遠距離から砲弾を撃ち込んで、陣地なんかをつぶすための物。
もちろん、戦車に砲弾が当たって撃破してくれればいいのだが。
そのため、砲塔も異常にでかい。
その写真も撮っておいたらよかったのだが、自走砲を出入りするフランス軍の奴らがいてたので、写真は撮らなかった。
また、「ボケの中国人が嬉しそうに写真撮っとらー」とか言われても、腹立つしね。

 と、自走砲の横を何食わぬ顔をして通り過ぎ、引き続きぶらぶらしていると、今度は歩兵戦闘車らしきものを発見する。
たしか、AMX10Pとかいう装甲戦闘車両だったと思う。
これも、乗員が出入りしていたので、写真は撮っていない。
キャタピラの装甲車の上に、20ミリ程度の機関砲だと思うのだが、むき出しの状態で乗っかっている。
機関砲の周りには、それを防護するような装甲板らしき物は装着されていなかった。
後にこいつらは、マイイー演習場でお目にかかることになる。

 で、無事車両を降ろす作業も終わり、演習場に移動する。
まずは、荷物を降ろし、我々が寝泊まりする場所を整理する必要がある。
着いたところは、ぼろっちいテントが建ちならぶ一画。
雨風が防げればそれで良しといった感じだ。
ま、確かに雨風は問題なかったが、寒さまでは防いでくれなかったね。
フランスの冬も寒かったぜ!
ということで、例のオンボロベッドに寝袋を広げて、各人の荷物をその周辺に整頓して置く。
そしてFA−MASを武器庫に入れに行く。
ちゃんと武器庫があって、管理しているんだねー。

 その日は、訓練はなかったと思うが、戦車・装甲車の偽装ネットなどの装着作業をしたのだと思う。
自衛隊でもお馴染みの『バラクーダ』だったっけ?あのカモフラージュネットを戦車・装甲車につけていく。
自衛隊で使っているような奇麗な物ではなかったね。
外人部隊、あまりものを大事に扱わないので、すぐにボロボロになってしまうようだ。
戦車の105ミリ砲にも、ネットを巻き付けて戦車に見えなくしていく。
例えば、木の枝にツタがからまっているような感じに見えるようにする。
そんなこんなで、一日は終わったのだった。
そして、恐怖の夜が待っていた・・・



ただ、寒いだけだったんやけどね。
ホホホ

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